マスコミの水力発電推奨への世論誘導にイエローカード
■菅直人首相は、フランスでの主要国首脳会議(サミット)で、東京電力福島第1原発事故の1日も早い収束と原子力安全の達成、再生可能な自然エネルギーの飛躍的拡大など、エネルギー政策をめぐる独自の構想を発信し、原発災害に伴う「日本不信」の払拭に努めた・・・という報道がありました。
それを受けた格好で今朝のテレビ番組では「自然エネルギーの拡大」をテーマに「大幅な規制緩和による水力発電の推進」が語られておりましたが、私はこの安易な水力発電推進の論議を聞いて、少なからぬ不快の念を持ちました。
■菅発言(サミット)では自然エネルギー利用に関しては2020年代の早期に、全発電の20%以上とする目標を掲げ「1000万戸分の太陽光パネル設置」との目標が語られました。
原発施設であのような事故が発生したのですから「想定外」とは言え、原発推進の立場を取っていた政府としても「今後も推進」との立場は取りにくいものと思われますし、世論もそのように大きく動きつつあり、原発に代わる発電システムの開発と、エネルギーの確保は急務であると思っています。
しかしながら「自然エネルギーの20年代20%」という構想は、政権内でこれまで論議された形跡がないばかりか、現在、太陽光や風力など自然エネルギーが占める割合は9%に過ぎず、10年程度の期間で倍増させるには、難しいのが現状のようです。
■さて十日町市では、JR東日本の信濃川からの過度な取水に近年まで悩まされ続け、夏場の渇水期には歩いて渡れるような、憂慮すべき状態が永年続いていました。
2年前に(信濃川からの)取水データ改ざんによる不法取水が発覚し、取水許可の取り消しとなり、この取り消しの期間で十日町市とJR東日本との協議を経て、5年間の試験放流が始まったばかりです。
さらには東京電力・湯沢発電所の水は清津川(十日町市)から取られて、魚野川へと分水嶺を跨いで流されており、当市には戻されていない(再生されていない)のが現状です。
■今朝のテレビ番組では、コメンテーターはじめ出演者の全員が、自然エネルギーの拡大のための「水力発電推進」の立場の意見を述べており、一人として水力発電のための取水による減水区間の存在や、生態系が破壊されている現状が語られなかったのが極めて残念であり、不快に感じた点でありました。
水力発電は発電効率も比較的良く、CO2や放射能の心配の要らないクリーンエネルギーであることに違いありませんが、原発に代わる発電手段としての再生可能なエネルギー論議をするのなら、少なくてもマスコミ報道であれば、責任の持てる人物(出演者)たちによる、しっかりとした論議を行ってもらいたいものだと強く訴えたいと思います。
◇十日町市HP→こちら
◇JR東日本・宮中ダム放流量→本日
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